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第2回 国際リサイクル会議・金沢 '08 for THE CAR

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第2回 国際リサイクル会議・金沢 '08 for THE CAR

1、世界は潮目

世界は2007~08年に掛けて、大きく変わろうとしています。2007年のノーベル平和賞は、ドキュメント映画「不都合な真実」で地球環境の現状を訴えた米国元副大統領アル・ゴア氏が受賞しました。ゴア氏の陰に隠れたようですが、世界の2,000名を越える気候学者で構成される国連機関IPCC(lntergovernmenta1 Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル)も同時に受賞しました。ノーベル平和賞が地球温暖化に警鐘を鳴らし統けてきた個人と団体に授与されたということは、地球環境問題か人類の平和と安全を脅かす共通の敵であることの証左です。2008~2012年の5年間は京都議定書が発効する期間です。京都議定書には米国の離脱や中国、インドなど発展途上の大国か義務を負わないという不完全性かあるものの、CO2削減という世界共通の問題を克服するための最も現実的な規範です。1990年を基準に、世界で5%削減、EU8%、日本6%など数字は小さいか、これを達成しなければ次の2013年からの約束は絵に描いた餅です。数字の大
小よりも、産業革命以来200数十年間一貫してCO2を増やし統けてきた欧米の右肩上がりの経済トレンドが始めて横ばいから右下かりに転ずるという世界の大きな潮目です。

2、地下資源から地上資源へ

乗用車は平均重量約1.1tで、約865kgの鉄・鉄合金、約9kgの銅、約68kgのアルミ、約3gの白金族金属、及び約90kgのプラスチック類(約44kgかPP)、約33kgのゴム、約28kgのガラスのなどの素材から成ります。金、銀、銅などの鉱物資源をこれまでのように地下から掘り続けるならばそれぞれ20~50年で枯渇すると予測されています。また、1tの金鉱石から金は0.3~1gしか取れませんが、携帯電話1t(約1万個)からは280gもの金か回収されます。私たちはこれ以上環境破壊を伴う地下資源への依存を続けることはできません。これからは使用済製品を適切に処理し、再生可能な地上資源の回収時代です。自動車リサイクル業には、こうした新しい静脈産業の担い手としての社会的責任かあります。自動車産業において、メーカーは部品の製造、組立てを行う動脈産業ならば、リサイクル業は、使用済自動車の適正処理、部品のリユース、資源のリサイクルを行う静脈産業といえます。私たちの身体が動脈と静脈の循環によって保たれているように、地球環境の持続可能性は動脈産業と静脈産業の達環によって達成されます。

3、UNIDOと運動した国際会議開催

自動車単体の環境影響は年々改善されています。しかし、現在8億数千万台、やがて10億台になろうとする世界の車の行き着く先は様々でも先進国で適正リサイクルか為されれば良いという問題ではありません。リサイクル技術や工場かない途上国こそ環境や資源の観点から重要です。第1回会議ではUNEP(国連環境計画)の協力を得ましたか、第2回はUNIDO(国連工業開発機関東京投資・技術移転促進事務所)の協力を得て、発展途上国との協力関係を目指します。特に島嶼国における使用済み自動車の処理、再資源化問題は緊急を要します。京都議定書には先進国と発展途上国の共同事業を支援するCDM(Clean Development Me-chanism/クリーン開発メカニズム)という仕組みかあります。市場原理を取り入れて国連の認証によって進められる京都議定書を使った最も応用力のあるプロジェクトです。具体的には、先進国の資金と技術を導入してコストの安い途上国で削減したCO2の排出枠を、先進国が購入するシステムです。これによって、途上国には投資と購入資金さらに技術移転か行われ、日本などCO2の削減か難しい国は削減量にカウントすることかできます。私たちRUMアライアンスはこのCDMを使った使用済自動車の処理システムの構築を目指しています。

以上

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