われわれの活動
JICA中南米研修報告
IRECセンター長 鶫謙一
RUMアライアンスがJICAから受託した「中南米自動車リサイクルプロジェクト」が2010年2月8~26日の間、石川県金沢市のIREC/国際リサイクル教育センターで実施されました。使用済み自動車の適正処理が社会問題となっているブラジル、アルゼンチン、コロンビア、メキシコの中南米4カ国から14名が参加し、3週間にわたって日本の自動車リサイクル法及びリサイクルシステムを学びました。この間、自動車産業公害の最大被害地香川県豊島やその処理を担う直島などを視察しました。
参加者はリサイクル関連の政府関係者、団体役員その他社会に影響力のある立場の人たちなので、帰国後の活動に期待したいと思います。今後このプロジェクトはJICAのレギュラーコースに組み込まれたので、3年間実施することとなりました。わが国の自動車リサイクル法や技術が地球の反対側で紹介され、普及することは大きな意義があります。
中南米の課題
- 車の平均寿命が18~20年で古い車が走っているため、排ガス問題がある。
- 日本と違って、車は一生に一度の財産といった感覚があるためぼろぼろになるまで転売し使う。最後は罰金を払うより放置した方が安い。
- 政府は買い替えインセンチブを付けるが、余り効果が無い。
- 新車登録以後車検制度が無いため、政府による車輌管理が為されない。
- 税金は車の価値によって決まるが、10年以上経つと車輌価値が安くなり、税金もほとんどなくなる。
- 盗難車、不正部品市場があり、実態として自動車リサイクル業が無い。